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仲間をおくりました [日記的]

先日、私にとって非常に長い付き合いの友人であり、たいせつな仲間だった
Y君が亡くなりました。
彼とは演劇をつうじて知り合い、少女童話の作品にも何度も出演していただきました。
劇団の休止以降も折に触れ連絡をとりあい、食事したりみんなで遊んだりしていました。
人あたりがよくて、いつも素直で、お酒が入ると話し相手の人を熱く褒めまくり、自分がいかにその人をすばらしいと思っているか、すごいと思っているかをしつこく語る人でした。
しつこいので「もう鬱陶しい」と言われても、「いや俺はね」とまた語り、パンクイズノットデッドとか、ワケのわからないポエムつきのメールを送ってきて、途中で読むのをやめられても、構わずに長文のメールを送ってくる人でした。
あれしまった、彼のいいところを書こうとしていたのに好きに言ってしまった(笑)
そんなふうに、みんなに好きに言われても、決して怒ったりすねたりせず、みんなに慕われている反応だと解釈して(まあ間違いじゃないんですが)、ふふ~んと困りながら笑っている人でした。
演劇をやる人は、素ではそんなにコミュニケーションが上手くない、人みしりするタイプの人も多いと思うんですけれど、彼は、初めての稽古場で緊張している人にも親しく話しかけ、打ち解けるのが得意でした。
役者としては、正直、決して器用な人ではなかったです。
滑舌がいい、動きがキレる、感情表現がわかりやすい、といった技術は、高いとはいえませんでした。キッチリとした役作りをして、努力を見せるタイプでもなかった。
もっとできる人が稽古場に来ると「あの人大丈夫なんですか」と、こっそり私に言ってきたりもしました。
でも、本番が終わると、どうして私が彼をいい役で舞台にあげるかわかってくれた。
彼は、いつも手ブラで、ばかみたいに本気で、作品世界の本当だけを見て演技していたから。
自分を信じるっていう、一番大切だとわかっていながらみんながなかなか出来ないことを、率先してやってみせることで、みんなに自分を信じさせてた。
中身ないのに、だからこそ、純粋な、フィクションだけでゆるされるカッコよさみたいのを、魂だけで表現してた。
私はそういう保存できないカッコよさこそ演劇なんだといまも思ってます。
一般ウケして俳優として売れるとか、現実的に客観的には厳しいと思っていましたが(というか私のお芝居自体が一般ウケは無理だった、私の小説と同じです)、私は、いつも彼のファンでした。

 Y君は、私の創作世界にも、たくさんのイメージをくれました。
このブログを読んでくださるのは、お芝居よりも私の小説から私を知ってくださった方が多いと思います。
私の小説の登場人物は、ちょくちょく、少女童話のお芝居の登場人物と同じ名前を名乗っています。
「BAROQUE▲SYNDROME」のタスクや「ネペンテス」の祐胡は、少女童話でY君が演じた人物と同じ名前です。
祐胡の中身は彼と全然違うけど、タスクの、異形を殺戮しながら妙に明るいところは彼をイメージしてたかも。
「ゼロヨン」に出てくる明智君の、お人好しでちょっと残念なところ、自分に夢を見がちなところ(笑)も、Y君のイメージをお借りしました。
Y君も私も大人になって、いまの彼から当時と同じイメージをもらうことはできないけれど、大人の役で登場してもらおう、させてやろう(上目線)と思っていたのに、さみしいです。

 保存できない、嘘のなかだけのカッコよさ、嘘のなかだけの本当みたいな謎の世界を、小説でも目指して書いていた、書いていきたいと思っています。
私の本を手にして読んでくださる方の胸に、あの不思議な幸福をお届けできたら、私としては幸せだなと。
Y君もそれを受け取って、舞台で表現してくれていました。
それはY君だけでなく、お芝居に出てくれた、スタッフとして支えてくれたみんなが、力になってくれていました。
同じフィクションを共有し、表現するために共闘した仲間は、一生の、特別な仲間です。
これは演劇に限らないと思う
同じ夢を実現するために、一緒に悩んで、苦労して、いいところだけじゃなく、駄目なところもお互い見せざるを得なくなりながら、ムカつきながら頑張った仲間とは、きっと一生のつながりができる。
長い付き合いだったのに、生前一度も、彼のご家族とお話しする機会はありませんでした。
今回初めてお話しさせてただいて、みなさんあたたかい方で、彼の人のよさにとても納得がいきました。
ご家族の方が、Yのことを忘れないであげてくださいと仰り、私は、絶対に一生忘れませんと言いました。
忘れないのでここにこうして書いておきます。
月並みだけど、仲間を亡くしてみるとわかる。
お芝居は私の青春で、彼は、私の青春に欠かせない一人だったんだなーと。
めずらしく熱く長いブログでしたね、読んでくださった方ありがとう。ていうかブログ書くこと自体が久しぶりだった(汗)
このブログや、私の小説を読んでくださる方と、これからも、謎の夢を共有できたら嬉しいです。
そして、ブログを読んでくださるみなさん一人一人の心にも、ためらいなく、仲間といえる誰かがいることを、あらわれることを、願っています。


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